食品ロス問題。
食品ロス問題に大きな影響があると言われる3分の1ルールをご存知ですか?
ルールをしっかりと理解すると店頭に並ぶ商品についての見方が変わるかもしれません。
悪しき文化「3分の1ルール」
日本の食品ロスの問題として「3分の1ルール」があります。
食品業界にある商文化というか、習わしみたいなものなのですが、食品の製造日から賞味期限までの期間を三等分して、最初の3分の1を物流、次の3分の1を小売、最後の3分の1が消費者が使う考え方です。
例えば製造から賞味期限まで6カ月の商品があったとします。この期間を3等分するので2カ月となります。最初の2カ月が販売店へ卸す期間、次の2か月が販売するまでの期間、最後の2カ月が消費者が消費する期間とする考え方です。
さて、なんでこの習慣が食品ロスに繋がるのでしょうか?
最初の3分の1の期間が過ぎたらどうなるのか?
まず製造から最初の3分の1の期間です。
この期間内に卸されなかった商品はどうなるのでしょうか?
廃棄処分となります。
まだまだ賞味期限が先なのにです。
次の3分の1の期間が過ぎたらどうなるのか?
なんとか最初の3分の1の期間内に小売店に卸された商品。
店頭にならんだとします。その次の3分の1の期間内に売れなかった商品はどうなるでしょうか?
販売される事無く返品、もしくは廃棄となります。
返品された商品ももれなく廃棄です。
こちらもまだまだ賞味期限が先なのにです。
海外ではどうなのか?
この考え方は国内だけなのでしょうか?
実はこの考え方は海外でもあるようです。
しかし、期間の設定が日本とは異なります。
アメリカでは製造日から賞味期限までの期間の二分の一が納品の期限に設定されています。ヨーロッパでは3分の2が主流の様で、イギリスではなんと4分の3も期間が設定されています。
物流に余裕があれば店頭に並ぶ機会も多くなります。それだけ販売機会も増えますよね。消費者の手に届くチャンスが増えるだけでなく、実際に店頭に並ぶ量が増える事になるので、生産計画も変わってくると思います。
国内でも二分の一の取り組みも行っている

実際に国内の事例でも納品までの期間を二分の一する試みが始まっているようです。
今まで店頭に並ぶことのなかった商品が、少しでも多くの商品が店頭に並ぶのは良い事だと思います。
しかし、並んでも消費者新しい物から購入してしまってはあまり意味がない事ですよね。消費者が商品を手に取って購入しない限りは食品ロスの問題解決にはつながりません。
ここまでは購入機会を増やしただけです。
販売するが消費者に対して「製造日が新しい」だけのベネフィットではなく、古いものを手に取りたくなるような違う商品価値を提供できるアイデア必要になってくるでしょう。
その為には消費者も食品ロス、賞味期限や消費期限の意味を正しく理解して購入する必要があります。
この3分の1ルール、私も知らなかったのですが、食品流通にこの様なルールが適用されているんですね。やはり、正しい知識を持つと言うことは食品ロス問題に取り組むにあたり大切な事なんだと実感させられました。
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