みなさん、こんにちは。
寒さが身に染みる季節ですが、いかがお過ごしでしょうか。
突然ですが、今日1月16日は何の日かご存知でしょうか?
実は「ヒー(1)ハー(8/1+6=7…無理やり?)」……いえ、正確にはアメリカで制定された「国際ホット・アンド・スパイシーフード・デー(International Hot and Spicy Food Day)」。
要するに、世界のホットでスパイシーな食べ物を楽しむ日らしいのです。
辛い食べ物といえば、最近では激辛ラーメンや麻婆豆腐、デスソースなど、テレビやYouTubeでもよく見かけますよね。
ですが、この「辛い食べ物の日」に、私がこの人生で一番衝撃を受けた、忘れられない「ある食べ物」を紹介させてください。
それは、行列のできる有名店の激辛メニューではありません。
昭和の時代、とある一般家庭の食卓に降臨した、私のオヤジが作った「伝説のゴールデンカレー(辛口)」の話です。
母の留守、父の背中、そしてゴールデンカレー辛口

あれは私がまだ小学校低学年、たしか1年生くらいの頃の話です。
その日は母が用事で出かけており、珍しく父が私たち姉弟のために夕飯を作ってくれることになりました。
普段、厨房になど立たない父がエプロンを締め、包丁を握る。
父は私がカレーが大好きなのを知っていてか、メニューを「カレーライス」にしてくれたのです。
「今日は父さんが特製カレーを作ってやるからな」
その言葉に、子供心にワクワクしたのを覚えています。
不器用な手つきで野菜を切る父の背中は、なんだか頼もしく見えたものです。
しかし、今にして思えばツッコミどころが満載でした。
小学校1年生の子供がいる食卓で、父がスーパーでチョイスしてきたルウが、あろうことか「S&B ゴールデンカレーの辛口」だったのですから。
あの金色のパッケージを見て、「男の料理はスパイシーでハードボイルドだ」とでも思ったのでしょうか。
ここから我が家の、そして私の舌の伝説が幕を開けます。
食卓が阿鼻叫喚!謎の激辛ミステリー

グツグツと煮込まれ、香ばしいスパイスの香りが部屋中に漂います。
9歳年上の姉、父、そして私の3人で食卓を囲み、いざ実食。
見た目は、具材がちょっと大きめなだけの、普通の美味しそうなカレーです。
私はスプーンでたっぷりとルウとご飯をすくい、期待に胸を膨らませて「パクっ」と一口食べました。
……ん? 美味しい……?
そう思ったのはコンマ1秒。
次の瞬間、口の中で爆発が起きました。
「辛゛い゛!!!」
口から火が出る、という表現がありますが、あの時は本当に口の中が炎上したかと思いました。
子供だから辛いのが苦手、というレベルではありません。味覚を超えて「痛覚」が悲鳴を上げたのです。
すると、一緒に食べていた高校生の姉も、そして作った本人である父までもが叫びました。
「ナニコレ!?辛い!!」
えっ、作ったシェフ(父)も驚くってどういうこと?(笑)
とにかくその日は大騒ぎ。
カレーをひと口食べるたびに、コップ一杯の水を流し込む。
家族全員で「ヒーヒー」言いながら、まるでサウナにいるかのような滝の汗をかいて、必死の形相でスプーンを動かしました。
【ワンポイントうんちく】
このとき私たちが必死で飲んでいた「水」、実は辛さ対策としては相性が微妙なんです。
辛さの主役・カプサイシンは水に溶けにくいので、口の中で「洗い流したつもりが、あまり流れてない」状態になりがち。
昔の我が家に牛乳が常備されていたら、戦況は変わっていたかもしれません……。
あまりの辛さに父が「これはいかん、水で薄めないと死ぬ」と言い出し、鍋に大量の水を緊急投入。
翌日の朝は、とろみの消え失せたシャビシャビのスープカレーのようになっていましたが、それでも舌を刺すような鋭利な辛さは健在だったのを、今でも鮮明に覚えています。
再現不可能な「父の味」の正体とは?

あのカレーは一体なんだったのか。
父は「書いてある通りにゴールデンカレー辛口を使っただけだ」と証言していましたが、実際に隠し味(?)で何を投入したのかは、姉も私も知りません。
「なんだったんだ? あの異常なまでの攻撃力は…」
どうしても気になり、大人になってから後日改めて同じ「ゴールデンカレー辛口」を買ってきてカレーを作ってみました。
あの日のトラウマを胸に、恐る恐る食べてみると……
「あれ? 普通に食べられる。むしろ美味い」
拍子抜けするほど、常識的でスパイシーな美味しいカレーでした。
あの時のカレーはどうやって作ったのか? 何を間違えて入れたのか?
もしかして、コショウの瓶を一本丸ごとひっくり返したのか、それとも私の知らない未知の劇薬スパイスが存在したのか。
父はもうこの世を去りましたが、今でも姉と会うと「あの時の親父のカレー、本当になんだったんだろうな」と話題になるくらい、我が家の「未解決ミステリー」となっています。
うんちく:辛さは「味」じゃなく「痛み」って話

ここで、辛い食べ物の日っぽく(?)ちょっとだけ豆知識を挟ませてください。
さっき「痛覚が悲鳴を上げた」と書きましたが、あれは誇張でもなんでもなく、わりと本当の話です。
唐辛子の辛さ成分(カプサイシン)は、舌の上で「熱い!」を感じるセンサー(受容体)を刺激して、脳に「今、燃えてます」みたいな信号を送ると言われています。
だから、辛さって「味」よりも「刺激」なんですよね。
そして刺激である以上、人間は慣れます。トレーニングで耐性が付くのも、ある意味では自然な話。
ちなみに「辛すぎて気持ちよくなる」現象もあります。
極端な刺激を受けると、脳が「ヤバいヤバい」と判断して、ストレスを和らげる物質を出すことがあるそうで、これが「激辛にハマる人」の正体の一部だったりします。
そして、実用的な話も少しだけ。
さっきの通り、カプサイシンは水に溶けにくいので、辛さを抑えたいときは、一般的にはこんな対処が相性良いと言われています。
- 牛乳・ヨーグルト:乳成分が辛さの粒(イメージ)を包みやすい
- 油っぽいもの:カプサイシンは油に馴染みやすい
- ご飯・パン:物理的に口の中の刺激を薄めてくれる
小学生の私にこの知識があれば、あの夜の阿鼻叫喚は、もう少し「戦略的撤退」になっていたかもしれません……。
スーパーカレクックを超えて

大人になった今、世の中には「激辛」を謳うカレーがごまんと溢れています。
私も辛いものは好きな方で、いろいろと挑戦してきました。
- ジャワカレーの辛口
- LEEの20倍
- ココイチの5辛~10辛
どれも確かに辛い。刺激的です。汗も出ます。
しかし、断言できます。あの日の父のゴールデンカレー辛口を超える衝撃には、まだ出会っていません。
あれは単なるカレーではありませんでした。
頭にカレーライスを乗せた超人、「カレクック」ですら裸足で逃げ出すレベル。
まさに金色に光るスーパーサイヤ人ならぬ、「スーパーゴールデンカレクック」だったのです。
1月16日、辛い食べ物の日。
みなさんにも、そんな「味の記憶」とともに思い出す、懐かしいエピソードはありますか?
もし今夜カレーを食べるなら、久しぶりに激辛に挑戦してみるのもいいかもしれませんね。
ただし、もし旦那さんが「今日は俺が作るぞ」と言い出して、ゴールデンカレーの辛口を買ってきたら……くれぐれもご注意を(笑)

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