【難易度】初級★☆☆/【対象環境】Windows 10(64bit)・Windows 11/HDMI入力を持つテレビまたは外部ディスプレイ/PC本体のHDMI端子、またはUSB-C(DP Alt Mode対応)+変換アダプタ/エミュレーターはBizHawk・Mesen2系を想定/再生するのは自分で購入・所有しているソフトのみ・オフライン環境
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結論から書きます。PCとテレビをHDMIでつないで画面は出ているのに音が出ない場合、原因のほとんどは「PCが音をどこへ送るか」の設定であって、ケーブルでも故障でもありません。見る順番はこの6つです。①Windowsの出力先が切り替わっているか → ②テレビ側の入力と音量・消音 → ③アプリごとの個別音量 → ④エミュレーター内部の音声設定 → ⑤変換アダプタ/ハブが音声に対応しているか → ⑥ドライバーと接続順。この順で上から潰してください。
順番を決める理由は1つです。下の層から先に触ると、直ったのか偶然かが分からなくなるからです。たとえばドライバーを入れ直して直ったように見えても、実は再起動のときに出力先が戻っただけ、ということが起こります。上から順に見れば、止まった場所がそのまま原因になります。
この記事は「映像は出ている」ことが前提です。そもそも画面が映らない場合は音より先に映像側の問題なので、記事末尾のリンクから該当記事へ進んでください。ここでは音だけに絞ります。
なお当ブログは実測値を出すときは自分で計測した記録だけを載せる方針です。この記事の公開時点では設定画面の実測キャプチャの取得が終わっていないため、画像は概念図のみです。取得でき次第この記事に追記します。ここに書いてあるのは「この症状ならここを見る」という切り分けの設計までで、「筆者の環境でこう出た」という断定はしていません。
先に結論:HDMIで音が出ない時に見る6項目(早見表)

| # | 見るところ | 典型的な症状 | 層 |
|---|---|---|---|
| 1 | Windowsの出力先(再生デバイス) | PCのスピーカーからは鳴っている/どこからも鳴らない | A:PC側 |
| 2 | テレビ側の入力切替・音量・消音 | 出力先を切り替えた瞬間にPCから消えたが、テレビからも鳴らない | B:テレビ側 |
| 3 | アプリごとの音量(音量ミキサー) | 他のアプリの音は鳴るのに、そのソフトだけ無音 | A:PC側 |
| 4 | エミュレーター内部の音声設定 | 同じPCでブラウザの動画は鳴るのにエミュだけ無音 | A:PC側 |
| 5 | 変換アダプタ/ハブの音声対応 | 出力先の一覧にテレビが出てこない | C:経路 |
| 6 | ドライバー・接続順 | 昨日まで鳴っていたのに今日だけ鳴らない | C:経路 |
途中で音が出たら、そこで終わりです。その先は読まなくて構いません。逆に、6まで進んでも鳴らない場合は、機器そのものを疑う段階に入ります(§7に判定方法を書きます)。
前提の確認:この記事が対象にしている状態
| 項目 | この記事の前提 |
|---|---|
| 映像 | テレビに映っている(映っていない場合は音より先に映像側) |
| OS | Windows 10(64bit)または Windows 11 |
| 接続 | PCのHDMI端子から直結、またはUSB-C(DP Alt Mode)+変換アダプタ/ハブ経由 |
| 音の行き先 | テレビ内蔵スピーカー(サウンドバーやアンプを挟む場合は§7を参照) |
| ソフト | 自分で購入・所有しているソフトのみ。オフライン環境で使用 |
1. Windowsの出力先が切り替わっているか(いちばん多い)
症状:テレビには映っているが音はPC本体から鳴っている。あるいは、どこからも鳴らない。
なぜ起きるか:HDMIをつなぐと、Windowsから見て音の出口が1つ増えます。増えるだけで、自動的にそちらへ切り替わるとは限りません。しかも一度手で切り替えても、ケーブルを抜き差ししたり別のディスプレイをつないだりすると、元に戻ることがあります。「昨日は鳴ったのに」の大半はこれです。
確認手順:
- 画面右下のスピーカーアイコンを右クリックし、「サウンドの設定」を開きます
- いちばん上の「出力」(Windows 11では「サウンドの出力場所を選択してください」)を見ます
- 一覧の中に、テレビの製品名や
NVIDIA High Definition Audio/AMD High Definition Audio/Intel(R) Display Audioといったディスプレイ側の出力があるはずです - それを選び、すぐ下の「テスト」ボタンを押します
直し方:テストで鳴ればここが原因です。終了して構いません。
判別条件(ここで止まる/進む):
- 一覧にテレビ/Display Audioが出てこない → §5へ飛んでください。PCは「音を出せる相手がいる」ことすら認識していません
- 選べるが「テスト」で無音 → §2へ進みます。PC側は送っているのに、受け側で止まっている可能性が高いです
- グレーアウトして選べない → §6へ。ドライバー側で無効化されているか、機器が休止しています
なお、出力先の一覧に出ているのに無効化されている項目は、既定では表示されないことがあります。同じサウンド設定の下部にある「サウンドの詳細設定」から一覧を開き、何も無い場所を右クリックして「無効なデバイスの表示」にチェックを入れると、隠れていた出口が見えるようになります。
2. テレビ側の入力・音量・消音(PCの外側)
症状:Windowsの出力先はテレビになっていて、PC本体からは音が消えた。しかしテレビからも鳴らない。
なぜ起きるか:ここから先はPCの管轄外です。テレビは入力ごとに音量と消音を別々に覚えていることがあり、「前にこの入力で消音にしたまま忘れている」という状態が普通に起こります。また、テレビ側が「音声を外部(サウンドバー等)へ出す」設定になっていると、内蔵スピーカーは鳴りません。
確認手順:
- テレビのリモコンで、PCをつないだHDMI番号と、いま映っている入力が一致しているかを確認します(映像が出ていれば一致しています)
- テレビ本体の音量を上げ、消音(ミュート)が解除されているかを確認します
- テレビの設定メニューから「音声出力」「スピーカー設定」にあたる項目を開き、「テレビスピーカー」が選ばれているか確認します
- 別の機器(レコーダーやゲーム機など)を同じHDMI端子につないで音が鳴るか試します
直し方:2または3で鳴ればここが原因です。4で他の機器も鳴らない場合、そのHDMI端子そのものが疑わしいので、別の番号の端子に挿し替えてください。
判別条件:他の機器なら鳴る/PCだけ鳴らない、が確認できたら、原因はPC側か経路側です。§3へ進みます。
3. アプリごとの音量(他のアプリは鳴るのに、そのソフトだけ無音)
症状:ブラウザの動画は鳴るのに、特定のソフトだけ無音。
なぜ起きるか:Windowsはアプリごとに音量と出力先を個別に覚えます。アプリ単位で0になっている、あるいはアプリ単位で別の出口が割り当てられていると、全体の設定を直しても、そのアプリだけ鳴りません。§1で「テスト」が鳴ったのにソフトだけ無音、という場合はほぼこれです。
確認手順:
- 音を出したいソフトを起動したままにします(起動していないと一覧に出ません)
- スピーカーアイコンを右クリック →「音量ミキサーを開く」(Windows 11では「サウンドの設定」→下部の「音量ミキサー」)
- アプリ一覧の中にそのソフトがあるか確認し、音量スライダーが0になっていないか、消音になっていないかを見ます
- Windows 11では、アプリごとに出力デバイスを個別指定できます。ここが「PCのスピーカー」になっていないか確認します
直し方:スライダーを上げる、または出力デバイスをテレビ側へ変更します。
判別条件:一覧にそのソフトが出てこない場合は、ソフトが音を1度も出そうとしていないということです。§4へ進みます。
4. エミュレーター内部の音声設定
症状:同じPCで他のアプリは鳴るのに、エミュレーターだけ無音。音量ミキサーにも出てこない。
なぜ起きるか:エミュレーターは内部に独自の音声設定を持っています。出力先の指定、音量、そして「早送り中は消音」といった条件つきの消音が別々にあり、どれか1つが効いていると無音になります。とくに早送りやコマ送りを多用する使い方では、条件つき消音が原因になりやすいところです。
確認手順(BizHawkの場合):
- メニューの
Config→Soundを開きます - Sound Master Enable(音声そのものの有効化)にチェックが入っているか確認します
- Output Device の欄を見ます。ここが古い機器名のまま残っていると無音になります。テレビ側のデバイス名を選び直してください
- Master Volume が0になっていないか確認します
- 早送り時に無音になる場合は、
Config→Speed/Skipの中にある早送り中のミュート設定を確認します
確認手順(Mesen2の場合):設定の Audio セクションを開き、Audio Device(出力先)と Master Volume、および「Mute when in background」(別ウィンドウを触っている間は消音)にあたる項目を確認します。最後の項目は、ウィンドウを切り替えた瞬間だけ無音になる症状の正体です。
直し方:Output Device を選び直すのが最短です。PCの出力先を変えても、エミュレーター側の指定は自動で追随しません。§1で切り替えたなら、§4でも選び直す必要があります。ここは非常に取りこぼしが多い箇所です。
5. 変換アダプタ/ハブが音声に対応しているか(一覧に出てこない場合)
症状:§1の出力先の一覧に、テレビもDisplay Audioも出てこない。
なぜ起きるか:USB-C経由で映像を出す場合、映像と音声は同じ信号にまとめて流れます。ところが製品によっては映像だけを通し、音声を通さないものがあります。また、映像用ではない充電・データ専用のケーブルを流用している場合、そもそも規格上の経路が成立していません。「映像は出るのに音の出口が一覧に現れない」は、この層の典型的な形です。
確認手順:
- 使っているアダプタ/ハブの製品情報で、音声出力に対応しているかを確認します
- アダプタを外し、PC本体のHDMI端子に直結して§1をやり直します
- 直結で一覧にテレビが出てくるなら、間の機器が原因だと確定します
直し方:直結で鳴るなら、アダプタを音声対応のものに替えます。買い替える場合は、商品説明に音声出力への対応が明記されているものを選んでください。映像対応とだけ書かれている製品は、音声を通さない可能性が残ります。
判別条件:直結でも一覧に出てこない場合、間の機器の問題ではありません。§6へ進みます。
USB-CからHDMIへ映像を出すだけの単機能アダプタ。多機能ドックより安く、トラブルの切り分けもしやすい。まず映るかどうかを確かめたい段階ならこれで足りる。
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6. ドライバーと接続順(昨日まで鳴っていた場合)
症状:設定は何も変えていないのに、今日だけ鳴らない。出力先がグレーアウトして選べない。
なぜ起きるか:HDMIの音声出力はグラフィックドライバーが担当しています。ドライバーの更新やスリープからの復帰で、出口の認識が一時的に外れることがあります。また、テレビの電源が入る前にPCが起動していると、PCが「相手がいない」と判断して出口を作らないままになることがあります。
確認手順:
- 接続順を固定します。テレビの電源を入れ、入力をPCのHDMIに合わせてから、PCを起動(または再起動)します
- それでも駄目なら、
Windowsキー + X→「デバイスマネージャー」→「サウンド、ビデオ、およびゲーム コントローラー」を開きます - NVIDIA / AMD / Intel の High Definition Audio にあたる項目に、警告マーク(!)が付いていないか確認します
- 付いていれば右クリックして「デバイスを無効にする」→ もう一度「デバイスを有効にする」を実行し、認識をやり直させます
- 改善しなければ、グラフィックドライバーをメーカー公式の配布元から入れ直します
直し方:まず接続順を試してください。これで直ることが多く、しかも何も壊しません。ドライバーの入れ直しは、その後で構いません。
7. 6項目すべて通っても鳴らない場合の切り分け
ここまで来たら、設定ではなく物のほうを疑う段階です。次の3つを入れ替えて、どれを替えたときに症状が変わるかを見ます。1回に1つだけ替えるのが鉄則です。2つ同時に替えると、どちらが効いたか分からなくなります。
| 替えるもの | 替えたら鳴った場合の結論 |
|---|---|
| HDMIケーブル | ケーブル不良、または映像専用品の流用 |
| テレビ側のHDMI端子(別の番号へ) | その端子の不良、またはその端子だけ設定が違う |
| つなぐ相手(別のモニター/別のテレビ) | 元のテレビ側の設定または不良 |
サウンドバーやAVアンプを間に挟んでいる場合は、いったん外してテレビへ直結してください。間に機器が増えるほど、音の行き先の候補が増えて切り分けが効かなくなります。直結で鳴るなら、原因は挟んでいた機器の入力設定です。
8. AIに手伝わせる:状況の渡し方でほぼ決まる
ここからは当ブログの本題に近い部分です。この種のトラブルは、AIに「音が出ません」と聞いても解決しません。返ってくるのは、いま自分が読んできたような一般論の一覧だからです。
効くのは「通過した層」を先に伝えることです。§1〜§6を上から潰してきたなら、その記録そのものが良いプロンプトになります。実際に使える形にすると、こうなります。
Windows 11のPCとテレビをHDMIで接続しています。映像は出ていますが音だけ出ません。
すでに確認済みのことは以下です。
- サウンド設定の出力一覧に「NVIDIA High Definition Audio」があり、選択できる
- その状態で「テスト」を押しても無音
- テレビ側の音量は上げてあり、消音も解除済み。テレビスピーカーが選択されている
- 同じHDMI端子に別の機器をつなぐと、その機器の音は鳴る
- 音量ミキサーを見たが、対象のアプリが一覧に出てこない
この条件で残っている原因の候補を、可能性の高い順に3つまで挙げてください。
それぞれについて「どこを見れば、その原因かどうかを1分で判定できるか」を
判定方法だけ書いてください。手順の全体像は不要です。
この書き方には理由が3つあります。①通過した層を書いたので、AIはその層を再提案できない。②「3つまで」と数を切ったので、一般論の羅列にならない。③「判定方法だけ」と出力形式を指定したので、また長い手順書を読まされることがない。
いまの出力先の一覧を、目視ではなく文字で取り出したい場合は、PowerShellを管理者権限なしで開いて次を実行します。表示された一覧を、そのままAIに貼ってください。
Get-CimInstance Win32_SoundDevice |
Select-Object Name, Status, StatusInfo |
Format-Table -AutoSize
これはPCが認識している音声デバイスの一覧と状態を表示するだけのコマンドで、設定を書き換えません。出力される内容は環境ごとに異なります。ここに High Definition Audio 系の行が1つも出てこなければ、§5・§6の層で止まっているという裏づけになります。
うまくいかなかった時の追加の一手として、AIに「私が見落としている前提を質問し返してください」と頼む方法があります。答えを求めるのではなく、質問を求める。これをやると、自分では当たり前だと思って書かなかった条件(アダプタを挟んでいる、サウンドバーがある、など)が引き出されます。原因が見つからない時ほど、効きます。
よくある質問
Q. 映像は出ているのに、なぜ音だけ別扱いなのですか?
A. HDMIは1本のケーブルで映像と音声の両方を運びますが、PCの中では別々の出口として扱われているからです。映像の出口は自動で切り替わっても、音の出口は前のままということが起こります。§1が最頻値である理由もここにあります。
Q. PCのスピーカーとテレビの両方から同時に鳴らせますか?
A. Windowsの標準機能では、出力先は基本的に1つです。同時出力には別の仕組みが必要になり、遅延が発生することもあります。まずは片方で確実に鳴らすことを優先してください。
Q. 音は鳴るようになりましたが、映像より遅れて聞こえます。
A. テレビ側の映像処理に時間がかかると、音のほうが先に届いて聞こえ方がずれます。テレビの画質設定で「ゲームモード」にあたる項目を有効にすると改善することがあります。処理を減らす設定なので、遊ぶときは有効にしておくのが無難です。
Q. エミュレーターだけ音が途切れます。
A. 出るか出ないかではなく途切れる場合は、この記事の範囲を越えてPC側の処理能力や音声バッファの設定が関係してきます。エミュレーターのSound設定にあるバッファ長(Buffer Size / Latency)を少し大きくすると安定する方向に働きます。
Q. これは「改造」にあたる作業ですか?
A. いいえ。この記事で扱っているのはOSとテレビの音声設定、および機器の接続確認だけで、ソフトの内容には一切触れていません。当ブログは複製ROM・BIOS・セーブデータの配布、コピーガードの回避(DRM解除)を一切取り扱いません。
まとめ:音が出ない時に見る順番
- 原因は6つに収まり、見る順番が決まっている。上から潰せば、止まった場所がそのまま原因になる
- A(PC側)=§1・§3・§4、B(テレビ側)=§2、C(経路)=§5・§6。通過した層は二度と疑わない
- 最頻値は§1のWindows側の出力先。「昨日まで鳴っていた」の多くはここが戻っている
- 出力先の一覧にテレビが出てこないなら設定の問題ではない。§5・§6へ直行してよい
- エミュレーターは内部にもう1つ出力先の指定を持っている。PC側を変えても追随しない(§4)
- AIには環境・症状・通過した層の3点を渡す。切り分けの記録がそのままプロンプトになる(§8)
- 設定画面の実測キャプチャは、取得でき次第この記事に追記します
【予告】この記事の切り分け手順を含む「PCでレトロゲームを遊ぶ環境構築キット」を配布予定です。価格・配布日は未定で、決まり次第この記事に追記します。
次に読む
音が出たら、次は全体のどこにいるのかを確認してください。環境づくりの工程表がこちらにあります。この記事は、その中の1工程です。

そもそも画面が映らないところで止まっている場合は、音より先にそちらです。スマートフォンをHDMIでつないだときの映像側の切り分けは、こちらにまとめてあります。考え方はPCでも同じです。

そして、環境が整ったあとに何をするかがこの先の本題です。当ブログは、画面に映っているものの内側の数値をAIと一緒に読み解く実験を続けています。その全体像がこちらです。音が出て、画面が映ったなら、もう次に進める状態です。

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