【難易度】中級★★☆/【対象環境】Windows 10(64bit)・Windows 11/BizHawk 2.9.1〜2.10系(2026年8月時点)/Lua Console 同梱版/解析対象は自分で購入・所有しているソフトのみ・オフライン
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【技術検証に関する法的注意事項・免責事項】
本記事に掲載されているメモリ解析、Luaスクリプト実行、およびAIコード生成に関する技術情報は、自らが所有するゲームソフトおよびオフライン環境における技術研究・教育目的の検証記録です。著作権法第47条の3に配慮し、複製ROMの配布、コピーガードの回避(DRM解除)、オンライン環境での不正操作(BOT化)等に関する情報は一切取り扱いません。掲載情報の実行によって生じた損害について、当ブログは一切の責任を負いかねます。
結論から書きます。ゲームのメモリ解析は、順番さえ間違えなければ5つの工程しかありません。①読み出せる状態をつくる → ②目的の数値がどこにあるかを絞り込む → ③読んだ数値を画面に出し続ける → ④AIにコードを書かせて往復を削る → ⑤自動化して実験する。この5つです。
この記事は地図です。個々の操作手順は1つも書きません。書くのは「いま自分はどの工程にいるのか」「次にどの記事を開けばいいのか」「その工程で何につまずくのか」の3点だけです。手順そのものは各工程の記事に分けてあり、この記事から順にたどれるようにしてあります。
逆に言うと、この5つの順番を飛ばすと、ほぼ必ず前の工程に戻ることになります。とくに②から始めようとして詰まる人が多いので、その理由も後半に書きました。

1. メモリ解析とは、結局なにをすることか
3行で言えばこうなります。
- ゲームは、残り体力や所持金や座標といった状態を、実行中のメモリ上の決まった場所に数値として置いている
- エミュレーターは、そのメモリを外から読める形で持っている(これが実機との決定的な違いです)
- だから「どこに・どんな形式で置かれているか」を突き止めれば、ゲームの内部状態を数値として観測できる
やっているのは観測です。値を書き換えて有利にすることが目的ではありませんし、当ブログではそちらは扱いません。観測できると何が嬉しいのかというと、「このゲームの内部では何が起きているのか」を推測ではなく実測で語れるようになり、さらにその数値を入力に使ってプログラムでゲームを動かす実験ができるようになります。ここが当ブログの本丸です。
2. 必要なもの早見表(始める前に、揃うかだけ確認する)
| 要るもの | なぜ要るか | 詰まりやすい点 |
|---|---|---|
| 自分が購入・所有しているソフトのデータ | 解析対象そのもの。自己所有・オフラインが大前提 | 入手先の案内は当ブログでは一切行いません |
| BizHawk(2.9.1以降) | メモリの読み出しとスクリプト実行の両方を1本で持っている | Lua Console を含むビルドを選ぶ必要がある |
| Lua Console | スクリプトを走らせる場所。STEP1以降で毎回使う | 初期状態では閉じている。開き方は導入記事側 |
| テキストエディタ | スクリプトを書いて保存する | 文字コードはUTF-8。BOM付きで落ちる事例あり |
| AIアシスタント(Claude等) | STEP4で使う。コードの初稿と、エラーの原因切り分け | ライブラリ名を実在しないものに置き換えてくることがある |
| 紙かメモアプリ | 絞り込みの途中経過を残す。これが無いと必ずやり直す | 軽視されがちですが、実際いちばん効きます |
エミュレーター本体の導入と初期設定がまだの場合は、先にこちらを済ませてください。この記事の5ステップは、すべて導入済みであることを前提にしています。

3. 5ステップの全体像
各工程が「何を得るための工程か」と、対応する記事です。上から順に読めば、途中で前提が抜けることはありません。
| 工程 | この工程で得られるもの | 難易度 | 状態 |
|---|---|---|---|
| STEP1 読み出せる状態をつくる | スクリプトから数値を1つ読めた、という事実 | 中級★★☆ | 公開済み |
| STEP2 どこにあるかを絞り込む | 目的の値が置かれている場所の候補 | 中級★★☆ | 公開済み |
| STEP3 読んだ値を画面に出し続ける | プレイしながら数値の動きを観測できる状態 | 中級★★☆ | 公開済み |
| STEP4 AIにコードを書かせる | 書く時間ではなく、確かめる時間に集中できる状態 | 中級★★☆ | 公開済み |
| STEP5 自動化・実験 | 観測した数値を入力にして、プログラムで動かす | 上級★★★ | 2026-08-23 公開予定 |
4. STEP1|1つの数値を読み出せる状態をつくる
目的:「スクリプトからゲームの内部が読める」という事実を、自分の環境で1回だけ成立させること。
ここでやるのは、値を探すことでも、意味を解釈することでもありません。読めた/読めないの二値を確定させるだけです。この工程を飛ばして先に進むと、あとで「値が見つからない」のか「そもそも読めていない」のかが切り分けられなくなり、原因の候補が倍に増えます。10分で終わる工程なので、必ず最初に通してください。
詳しい手順はこちら。

5. STEP2|目的の数値がメモリのどこにあるかを絞り込む
目的:残り体力・所持金・座標といった意味のある値が置かれている場所を突き止めること。
考え方はシンプルで、「値が変わった/変わっていない」で候補をふるいにかけるだけです。何万個もある候補が、ゲーム内で操作を1回するたびに何十分の1かに減っていき、最後に数個まで落ちます。数学的な難しさはなく、必要なのは根気と、途中経過を残しておく几帳面さです。
ここが5工程でいちばん時間がかかり、いちばん脱落者が出る場所です。所要時間は慣れないうちで30分〜1時間を見てください。

6. STEP3|読んだ数値を画面上に常時表示する
目的:絞り込んだ場所が本当に目的の値かを、プレイしながら検証できる状態にすること。
STEP2で「たぶんここ」まで来ても、それが本当に残り体力なのかは、実際にダメージを受けながら数値が動くのを見るまで確定しません。画面の隅に数値を出し続けておけば、誤りは数十秒で分かります。ここまで来ると、解析の作業が急に「観測」らしくなります。

7. STEP4|AIにコードを書かせて往復時間を削る
目的:スクリプトを自分で書く時間を減らし、確かめる時間に配分し直すこと。
STEP1〜3の作業は、コードそのものは短いのに、書式の細部(関数名・引数の順序・文字コード)で落ちます。ここはAIが得意な領域です。ただしAIは実在しない関数を平気で提案してきます。何をどう聞けば一発で動くものが返ってくるのか、返ってこなかったときにどう聞き直すのかは、それ自体が技術です。

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8. STEP5|自動化と実験(2026-08-23 公開予定)
目的:観測した数値を入力として使い、プログラム側から操作を返すこと。ここが当ブログの旗にあたる領域です。
STEP4までで「内部が読める」状態ができています。STEP5は、読んだ数値を条件にして入力を出す——つまりゲームを観測しながら反応するプログラムを書く工程です。実行ログと動作記録が記事の本体になるため、実測が取れた時点で公開します。現時点では枠だけを置いています。
この工程で扱わないことを、先に明示しておきます。対象は自分が所有するソフト・オフライン環境に限ります。オンライン環境での不正操作(BOT化)、対戦・ランキングに影響する自動操作、複製ROM・BIOS・改変データ・セーブデータの配布や入手先の案内、コピーガード回避(DRM解除)は一切取り扱いません。当ブログが扱うのは、自分の持ち物を自分の机の上で観測し、その挙動を検証する範囲です。
9. どこから始めるかをAIに判定させた記録
この記事を書くにあたって、「5工程のどこから読み始めるべきか」を読者ごとに振り分けられないかをAIに相談しました。手順ではなく順路の設計についての試行錯誤です。
①最初の指示(目的:読者を振り分けるチャートが欲しい)
ゲームのメモリ解析を5工程に分けた。
STEP1 読み出せる状態をつくる/STEP2 場所を絞り込む/STEP3 画面に出し続ける/
STEP4 AIにコードを書かせる/STEP5 自動化・実験。
読者が自分の開始地点を判定できるフローチャートを、Yes/Noの質問だけで作ってほしい。
②返ってきたもの(そして、その誤り)
AIは「プログラミング経験があるならSTEP2から始めてよい」という分岐を提案してきました。これは実務的に誤りです。プログラミング経験の有無は、STEP1で確認している「この環境で読めるか」とは無関係だからです。経験者ほどSTEP1を飛ばし、STEP2で候補が0個になったときに「絞り込みが下手なのか、そもそも読めていないのか」が切り分けられず、結局STEP1に戻ってきます。分岐の軸が、能力になっていて、状態になっていなかったのが原因です。
③修正した指示
分岐の条件を「読者の技能レベル」ではなく
「読者の環境で何がすでに成立しているか(事実)」に変えてほしい。
技能を問う質問は1つも入れないこと。
④最終的な判定チャート(コピペして使えます)
Q1. スクリプトからゲーム内部の数値を1つでも読み出せたことがある?
→ いいえ : STEP1 から
→ はい : Q2 へ
Q2. 目的の値(残り体力・所持金・座標など)が置かれている場所を特定できている?
→ いいえ : STEP2 から
→ はい : Q3 へ
Q3. その値を、プレイしながら画面で確認できる状態になっている?
→ いいえ : STEP3 から
→ はい : Q4 へ
Q4. スクリプトを書く時間より、確かめる時間のほうが長い?
→ いいえ : STEP4 から(書く時間が支配的=AIに任せる余地が大きい)
→ はい : STEP5 へ(2026-08-23 公開予定)
4問すべてが事実確認になっているので、自己申告のブレが入りません。迷ったらSTEP1に戻る——これが5工程の運用ルールです。
10. よくある詰まり
- STEP2から始めて候補が0個になる:ほぼ確実にSTEP1が未完了です。読めているかを先に確定させてください
- 候補が数千個から減らない:ふるいにかける操作が、目的の値を動かしていません。値が確実に変わる行動を選び直します
- 候補が数個まで減ったのに、どれも違う:値の格納形式(1バイト/2バイト、符号の有無)を取り違えています
- スクリプトが起動直後に落ちる:文字コードがUTF-8以外か、BOM付きで保存されています。STEP1の記事で扱っています
- AIの出したコードが動かない:実在しない関数名が混じっています。STEP4の記事に、聞き直し方をまとめてあります
- 翌日に再開したら場所が変わっている:仕様です。読み込みのたびに配置が変わる場合があるため、絞り込みの手順ごと残しておきます
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まとめ
- メモリ解析は5工程。読み出せる状態 → 場所の絞り込み → 常時表示 → AIで短縮 → 自動化・実験
- 順番を飛ばさない。とくにSTEP1(10分)を飛ばすと、STEP2で原因の切り分けが不可能になる
- いちばん時間がかかるのはSTEP2。慣れないうちで30分〜1時間、必要なのは技術より根気と記録
- 開始地点は技能ではなく「何がすでに成立しているか」で決める(第9章の4問チャート)
- STEP5は実測ログが本体のため、2026-08-23 公開予定。オンラインでの不正操作は全期間を通じて非取扱
- 対象は自分が所有するソフト・オフライン環境に限る。ROM・BIOS・改変データ・セーブデータの配布や入手先案内は一切行わない
【予告】この5工程で使うスクリプトをまとめた「コピペで動くLua集+環境構築キット」を配布予定です。価格・配布日は未定で、決まり次第この記事に追記します。
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この記事は、PC上でレトロなゲーム環境を深く掘り下げていくシリーズの一部です。エミュレーターの導入や周辺機器からまだ整っていない方は、まず入口の親ガイドで全体の順番を確認してください。

5工程の1本目はこちらです。まずは10分、読める状態をつくるところから。



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