機動戦士ガンダム
この言葉を聞いて思わず反応してしまう1970年代生まれの男性は少なくない筈だ。
特に1970年前後の人たちにとっては主人公がドンピシャ同世代と言う事もあり多くの人の心を鷲掴みされたと思う。
今も続くシリーズの原点ともなった、1972年に放送が開始されたガンダムは「ファースト」と呼ばれている。
ファーストは初回放送は放送打ち切りとなったものの、再放送でブレイクした。
私自身も再放送でのブームでガンダムの存在を知った。
このブームは単なるクラスで話題になる程度の事ではなく社会現象となるくらいの大ブームだったのだから凄い。
ロボットアニメ史上、空前絶後の大ヒットでした。
おそらく当時の業界は盛り上がったんだろうなぁと思います。
社会現象を巻き起こしたガンプラ
さて、アニメの様なコンテンツが盛り上がると当然の様にグッズが出てきます。
シール、食玩。さまざまなモノがガンダムブームに乗っかってましたねぇ。
まだまだIP(知的財産)に疎かった日本社会でしたから模倣品、粗悪品も大量に溢れかえっていました。
今だったら当たり前のグッズの定番「円盤」はまだ存在していません。ビデオの普及ももう少し先なので映像コンテンツものはなかった。
そんな出せばなんでも売れるグッズの中でも、社会現象を巻き起こしたものが「ガンプラ」だ。
模型店の前に行列ができるガンプラ現象
当時ガンプラは基本的に品切れ。入手するために地元地域にあるガンプラを取り扱う模型店や玩具屋の入荷日(当時は週一で曜日が決まっている所が多かった)をリサーチし、入荷と同時に購入するのが当たり前だった。
しかし、考える事は誰も同じ。入荷日ともなると小中高世代が模型屋に群がっている光景が展開された。
入荷日にならんでもお目当てのガンプラをゲットするのは運なのは当たり前で、モビルスーツが買えるだけでも凄い事。当時はガンペリーですらレアモデルとなっているくらい品薄だった。
旧ザクの人気は異常
当時、「ガンダム」だったり「シャア専用機」は当然人気でしたが、とにかくダントツで小学生の間で話題になり人気だったのが「旧ザク」です。
ジオン軍の主力量産機として活躍していたのが「ザク」と呼ばれていたモビルスーツになります。実はこの「ザク」は通称で正式名称は「MS-06 ザクII」です。ザクIIとナンバリングされていることからわかるように、こちらザクIが存在しています。それがMS-05ザクIになります。このザクIはザクII登場前のジオン軍の主力機だったんですが、ガンダムの時代では作業用のモビルスーツに転用されています。
と言う設定のザクなんですが、このザクIが「旧ザク」と呼ばれ、とてつもない人気がありました。最初見た時は、なんか「変なザク」としか思わないのですが、これが段々とカッコよく見えてくるんです。
当時、旧ザクは小学生のあこがれの的でした。
※ちなみにZZガンダムでは「ザクIII」が出てきます。
※さらに連邦が作ったザクもあります。ハイザックです。
ガンプラカツアゲなんてのもありました
先ほども書きましたが、ガンプラは人気ありすぎて購入できない人が続出でした。
そうなるとどうなるのか?
そうなんです。悪い奴が出てきます。
買えないなら奪えば良い。
ガラハド的思考(実際、ガラハドは被害者)になる輩が出てきます。
小学生の大敵・・・「かつあげ」ですね。
ガンプラを買えなかった不良が、ガンプラを購入した子羊からカツアゲをする。
これも問題になりましたね。おそろしい。
まさしく世紀末覇者の世界ですな。
ガンプラ全盛期にはこんな商売をしていた模型店も・・・
全世代、そして日本国中を巻き込んだガンプラ争奪戦。
バブルの頃よりバブルだったんじゃないかと思います。
プラモデルの代表格である模型店も、当然その恩恵にあやかったんじゃないかと思います。
とは言え、模型店もメーカーからの入荷を待つ立場です。
全国の模型店とガンプラを取り合う立場。数量が決まっている希少なガンプラからどれだけの売り上げを叩き上げられるのか?そんな状態でした。
そんな中、模型店はあの手この手で儲けを増やそうとしていましたよね。
当時、実際に遭った、今考えるとすげぇなぁと思う事例を紹介しましょう。
ガンプラガチャガチャ販売
当時品薄のガンプラ。模型店を巡っても中々購入できない。
そん中、1件の模型屋には100玉を握りしめた小中学生の長蛇の列ができていました。
彼らの目的は1回100円のガチャガチャです。
ガチャの中身はこんな感じです。
- ハズレ(どうしようもないもん)
- 5枚集めればガンプラ1個(300円分)と交換
- 300円分ガンプラと交換
- 500円分ガンプラと交換
- 800円分ガンプラと交換
値段はうろ覚えです・・・
当時の小学生からすると1/60スケールのプラモデルなんて高嶺の花すぎて手が出なかったのですが、ガチャガチャならワンチャンあります。
そんな子供の射幸心を煽る仕組み。普通に100円をコツコツ貯めた方が良いに決まっているのですが、子供たちはワンチャン狙ってガチャガチャを引きます。
これがまた当たりを引いたこが英雄に見える訳です。ガンプラ欲しい、ヒーローになりたい。そんな子供心を絶妙にくすぐるガチャシステム。ハズレを引いて泣き出す子もいる。その横でガッツポーズをする子供。まさしくカオス。そんなカオスを生み出すすごい商売です。
ビジネスモデルとしては、数に限りのあるガンプラを直接売るのではなく、景品として掲げる事でガンプラというリソースを消費せずに売り上げを最大化するモデルです。
んなもん、店主の匙加減で利益をどんどん出せる金の卵な訳ですよね。
当時はきっと射幸心を煽っちゃいけないとか、当たりの割合なんて規制もなく無法地帯に近い状態だったと思うので、やりたい放題だったと思います。
まとめ
ってな訳でまとめます。
ガンプラはすげー!!
今でもかっけー!!!
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