約1年前に掲載した記事

539ブクマも集め、ホットエントリーに入るなどかなり注目を集めました。
かなり記事の内容に対して辛辣なコメントも多かったと思います。
わかります。すごくわかります。
かなり厳しい事を書きました。
ITエンジニアが利用する側と利用される側に二極化されると書いたもんだから、ワーワーなってしまいました。
しかし、世界は確実にこの方向に向かっています。
あの記事はあえて極端な話にした所はあります。
分かりやすいだろうと思って比喩的に「API」とワードを出したと言うのもあります。逆にわかりにくくなったとも言えます。
と言う訳で、あれから1年以上経過しましたが、「IT業界で生活していくために現実的に考えなければならい事」の続きを書きたいと思います。
前回は「目指す先を上流にしよう」で結んでいた
前回の記事では、まずは上流を目指すこと!で記事を結んでいました。
さて、目指すべきは上流だと言うのは重々わかっている事だと思います。
じゃあ、上流を目指そう!と言って辿り着けるかと言うとそんな単純なもんじゃありません。
そこで今回は、その第一歩となる所を書きたいと思います。
その前に前回の記事と重複しますが、今後のIT業界の流れをおさらいします。
SEが設計しPGが組み立てる
今後、IT業界での作業の違いがもっと明確になっていきます。
その中で一番変化が大きいのがPGです。
コーディングの量、すなわちステップ数は大幅に減っていきます。
大体の事が部品の組合せで実現できる様になるので、部品と部品の繋ぎの部分を埋めていく作業がPGの仕事メインになっていきます。しかも、繋ぎの部分は既に設計書に書かれているので、設計書通りにコーディングしていく作業となります。
例外に関してもパーツ側で実装されているので、組み立てに専念できる。
まさしくSEが設計、PGは組み立ての時代です。
ここでポイントになるのが「コーディングの量が減る」事なんです。
やった!PGは効率の良い職業じゃん!!
と考えるのは安直です。
勘違いしてはいけないのですが、実際に価値が高いのは次の事柄です。
- パーツそのもの
- パーツを組み合わせて出来るシステム
この2点です。
パーツを組み合わせる作業、そのものにあまり価値が無いと判断されます。
PGが考える余地はどんどん無くなっている
パーツを組み合わせる作業がなぜ高い価値が無いと判断されてしまうのでしょうか?
基本的には作業をするにあたって考えなければいけない事が無くなっていくからです。作業が非常に単純化されるので、極端な言い方をすれば誰でもできる仕事になってしまうからです。
誤解しないで欲しいのは、PGそのものの仕事に考える余地が無くなってしまう訳じゃない点です。組立作業に従事していたPGの仕事に考える余地がなくなって行く事です。パーツを創るプログラマーはバリバリ考える職業と言えます。
ここまで書いた内容がピンとこない人も多いと思います。なぜピンと来ないのか?
そういった作業が行われていない現場にいるからです。
現場、要するにPGが書きながら考える余地が残る作業の指示をしている現場が圧倒的に多いのは事実です。
隙間を埋める設計図が不完全である(利用するパーツしか記載がない)や資産が不十分(パーツが揃っていない)環境には、まだまだPGに考える余地が沢山あります。
しかし、私は「こういう現場があるからPGは安泰」なのではなく、「PGが考える余地のある作業をしている現場は組織ごと淘汰される」と考えています。
- あらゆる粒度の多機能なパーツが用意されている
- パーツの組み合わせ方で無数の機能を実現する事が出来る
最終的に行きつく先ゴールはここですし、このゴールに向かっていないのは淘汰の対象になります。
もちろん、技術革新は常に行われているのでゴールは常に未来へと動いているのでゴールラインより先に行くことは無理でしょう。しかし進んでいく目標はココになります。
PGと呼んで良いのか?
さて、ここまでPG、PGと呼んでいましたが、はてさてこの職業をPG(プログラマー)と呼んで良いのか?と疑問を感じてしまいます。
先ほども書きましたが、パーツそのものは価値が非常にあり、ここにはプログラムを書く余地が残っています。書く余地があると言うのは考える余地があると同義です。本来、こういう人達をPGと呼ぶのではないでしょうか?
パーツを組み合わせる作業をする人はPGと言うより、組立てをする人と言う事でAssemblerとなるんでしょうか。
ここから本編「これからのIT業界での生存戦略」
今後のIT業界を逞しく生き抜いていくための戦略です。
端的に言います。「エンドユーザーと仲良くなる」です。
どうですか?シンプルな戦略だと思いませんか?
エンドユーザーは現場で沢山の課題を抱えています。それだけでもソリューションの宝庫なんですよ。昨今のデジタルトランスフォーメーションの潮流も相まって、IT化も喫緊の課題として盛沢山です。DXの分野は一過性の流行ではなく、今後のITインフラと言っても良いくらいの根底の考え方になるので、課題が無くなる事は無いと言えます。
そして現場の課題と言うのは同業種では同じと言うのがほとんどです。
これらをエンドユーザーサイドに切り込んで吸い上げる事が出来れば、飯のタネに困る事はありません。
また、業界内で横の繋がりって凄いあります。
なのでエンドユーザーと仲良くなって横に人脈を広げていくのが一番手っ取り早い方法です。
さぁ、エンドユーザーと仲良くなろう!!
さてさて・・・上のキャッチフレーズが「IT業界の今後の生存戦略だ!」と聞いてどう思いましたか?
- そんな簡単に言うな!!
- はぁ?何当たり前の事言ってんだよ・・・
と、二極化された怒りと呆れの声が聞こえてきます。
そうなんですよ。
ある人にとっては想像もしていない事、ある人にとっては至極当たり前の事。このギャップなんですよ。呆れている人にとっては非常に当たり前の事が出来ていない。この人達が先ほどのAssemblerになってしまう確率が高い人なんです。
システムの利用者を見る
「エンドユーザーと仲良くなる」が何を意味しているのか?
これを「そんなに簡単に言うな」と思った人は何故そう思うのか?
コミュニケーション?業界知識不足?
色々な理由が出てきそうですね。
しかし、これらは実際のプロジェクトを通じて鍛錬する事が可能な項目なんです。
なので、意識を少し変えてこれからの実プロジェクトを通じて鍛錬する様にして下さい。
その意識とは、「システムの利用者を見る」事です。
プログラマーは仕様書通りに作る事には長けていますが、実際にどの様な場面でどういったシチュエーションで機能が使われるのかを考えていません。もしくはシステムを使う人として想定しているのが、そのまんま自分だったりするケースが多い様に見受けられます。
ほんの少しだけでも良いので、本当にシステムを利用する人の立場で考えてみるクセを付けて下さい。この鍛錬を続けるだけでエンドユーザーがどういった業務を行いながら、何に課題を持って、機能を利用するのかの理解が深まります。そうなると、それまで気が付かなかった課題や新しい解決策が見えてきます。
その視野の広がり、着眼点はエンドユーザーと実際に会話する時にも役立ちます。会話がスムーズになっていくんです。
まとめ
IT業界で生き続けていくためには、技術力も必要な要素なんですがそれ以上大切な事があります。
誰かの課題を解決する
この誰かが多ければ多いほどより社会に貢献できるのですが、まずはこの「誰か」に目を向けていく事が第一歩です。
非常に当たり前の事の様に聞こえますが、この当たり前が本当に出来ているのかもう一度実際の現場で確かめてみて下さいね!
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