出来る人が書く分かり易いビジネス文書から感動する物語の書き方を考える

IT業界
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ビジネスにおける文書の書き方を物語の書き方は対極に位置すると言って良いです。

ビジネス文書の書き方はなぜその様に言われているのか?を考察しながら、その対極にすると良い物語がなぜ書けるのかも同時に検証します。

この記事を読めばビジネス文書の書き方と良い物語の書き方が同時に理解する事が可能です。

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ビジネス文書は結論を先に述べるが物語は後に述べる

まず結論です。

ビジネス文書では結論を先に述べます。鉄則です。

その対極にある物語は結論を後で述べる事が大原則になります。

ビジネス文書は結論を先に述べる

出来る人はビジネスの場で結論から述べます。これは鉄則です。

なぜでしょう?

理由は大きく2つあります。

理由1:報告を受ける側は時間がない

文書には読み手が必ずいます。読み手がいない文書はありません。

そして、そのビジネス文書の読み手は大抵忙しい人です

報告書であれば上司にあたり、取引先であれば決裁権のあるそれなりの地位の人です。これらの人は他にも仕事を抱えており、効率よく仕事をしなければ時間が圧倒的に不足している人たちになります。

その人たちは冒頭の結論だけ目を通しておきたいと思っているので、文書の冒頭に結論を書く様にしておく必要があるのです。

読み進めないと結論がわからない文書はきっと途中で読むのをやめてしまうでしょう

という理由からビジネスの場においては結論を先に伝える必要があるのです。

理由2:その後の報告の理解度が上がる

結論が先に述べられていると、その後の報告というのは全て結論につながっていく話になります。なので聞き手もどうやって結論に繋がっていくのかと言った観点で聞く事に集中できます。

結論がなく過程を話されると、「これは一体どんな結末を迎えるのか?」「ん?途中経過がこうだとすると・・・最後はよくないって話か?」などと色々と考えてしまい、結論を先に述べた時と比べて理解度に圧倒的に差が出ます。

結論を先に伝え、相手の理解度を上げておくのは絶対的に必要な事になります。

物語は結論を後回しにする

さて、それではその対極に位置する物語ではどの様にするのでしょうか?

結論は一番最後です。物語の一番盛り上がるところで語ります。

先に結論を述べる物語はありません。

読み手に物語の結末を推測させつつ、あるときは予想通りの展開で進ませながら期待を裏切る展開にしたりする事が大切です。

この様に物語では相手の理解度は重要ではなく、むしろ「結末がどの様になるのか?」に読み手の脳をフォーカスさせ理解度を落とす事で様々な想定外の出来事を起こしやすくしているのですね。

ビジネスではまず俯瞰した話をするが、物語では部分的な所から始める

ビジネスにおいては全体像を相手の頭にイメージさせておいてから各論に落とし込んでいくのが鉄則です。そうでないと相手はなんの話をしているのか理解が出来なくなります。状況判断も出来なくなります。

しかし、物語は真逆です。各論を語りつつ徐々に世界を広げていくと言うのがセオリーになります。

ビジネスではまず全体を論ずる

ビジネスにおいて提案、説明をする事の全体、背景を読み手に理解させておく事は非常に重要な事となります。「相手の頭の中を耕す」と言えばわかりやすいでしょうか。その後に説明する事の前置きがいらなくなる。説明文を理解する為の前提条件を先に入れておく事が大切になります。

例えば新事業を提案する際に、現在の市場環境など社会全体の事を提案書に盛り込まずに事業の説明だけしかしなかったらどうでしょう?

あなたは市場環境など社会の状況が頭に入っているので、書かれている内容が正しいと思っているのかもしれませんが、他の人にとっては何を言っているのか全く理解できないと言うこともありえます。

この様な事態を避けるためにも、必ずビジネスにおいては全体を論じてから各論に移っていく事が重要になります。

物語では各論から始めて世界を広げていく

物語は小さな世界から段々と世界を広げていく事が大切です。いきなり世界の理を全て説明されていたら興ざめな物語になります。最低限の部分から物語を展開していく事が大切です。

ファイナルファンタジー3はその点秀逸なストーリー展開でした。

それまで自分のいる世界が世界の全てだと思っていたのに、飛空艇を手に入れて、おお!どこまでも移動できるー!!!と思った瞬間・・・画面が真っ暗になり切り替わります。

すると自分のいた所がちっぽけな浮遊島だったという展開。

えー!!!世界はもっと広いのか!!!と驚かされた瞬間でした。

これこそが物語の裏切りです。

これが最初からあなたのいる所は小さな浮遊島で外側にはもっと広大な世界が広がっています。とか最初に説明されたら興ざめです。

例えば、この世界では物が下に落下する事は当たり前なのですが、宇宙空間に行けば物が浮く無重力になります。これは誰もが知っている事実です。ですが、物語の冒頭がこうだったらどうでしょう。

「彼がゴミを宙に投げるとそれは空中を漂いそこに留まった」

この物語の世界がどこなのか読み手の頭は空想で膨らみます。そうやって読み手の空想を促す様な組み立てが必要になるのです。

ビジネスでは具体的に伝え、物語では抽象的に言い回しにする

具体的に伝えるのか?抽象的な言い回しにするのか。

もちろん、ビジネスでは具体的に伝える必要があります。

逆に物語では抽象的な言い回しにしておくと言うのが鉄則になってきます。

ビジネスでは数値など具体的な表現方法を使う

ビジネスにおいては具体的な表現を用いて正確にコミュニケーションを取る必要があります。

例えば「大きい」と形容詞を用いた表現をした場合、「大きい」は具体的にどの様な大きさなのか?が人それぞれに異なってしまいます。「価格が高い」などの表現も同じです。実際に高いのかどうかは人それぞれに異なるので、正確な数値で表現をしなければなりません。

IT業界でよくあるのがこんなシーン

これいつまでに作れる?

すぐ出来ますよ

じゃあ、よろしくね

ー翌日ー

昨日の出来た?

え?まだですよ?

えー?すぐ出来るって言ったじゃない?

いつになったら出来るの?

3日後くらいですよ

それすぐじゃないじゃない!!

こんな事にならない為に、「すぐ」とか「かなり」とかではなく、しっかりとした数値で伝える必要があります。

ビジネスに置いては認識を正しく同一にしておくと言うのが鉄則になるので、お互いに同じ単位でコミュニケーションを取る必要があると言う事です。

物語では曖昧で抽象的な言い回しを多用する

では、対極の物語ではどうなるのでしょうか?

曖昧で抽象的な表現を多用します。物語における妙と言うのは意思のすれ違いです。登場人物の思い違い、想定していない出来事、そこから物語を転がしていきます。必要なのは登場人物の意思のすれ違いの妙が必要になります。

その為に具体的な表現を使い、物語の登場人物全ての認識が統一されていては面白みにかけてしまうわけです。

「すごく大きい魚が釣れた」「買い物に言ったが目的のもが高くてやめた」など具体的な数値を用いない事が大切です。

「すごく大きい魚が釣れた」と書いておけば場面が変わった時に「家に帰って皿に盛り付けたらそうでもなかった」と展開が描けます。これが「40cmの魚を釣った」とした場合、家に帰って盛り付けて「40cm」には変わりはありません。この様に人の感覚に寄り添った表現をする事で物語の展開が読めない状態に出来るのです。

また、読み手に対しても想像力を掻き立てる事が出来るので、読み手の期待を裏切りながら話を進めていく事が可能になります。

ビジネスでは読み手の知りたい事、物語では自分の語りたいことを語る

何について述べるかです。

ビジネスでは読み手の立場に立って知りたいこと、疑問に想うであろうことを語ります。

物語では自分の語りたいことを語っていきます。

ビジネスでは読み手の立場で知りたい事を述べる

「読み手の知りたい事にフォーカスを当てて伝える」

至極当たり前の事の様に思える事ですが、これがなかなか出来ないんですよね。特にエンジニア。調査報告書なんて書かせると、もう自分が何を調べて、調べた時に何が大変だったのか。本当に自分のした事、所感をつらつらと書き立てます。

読み手からしたら書き手が苦労した話とか関係ないんですよね。結論に対して結論裏付ける根拠であったり、それに到る過程が正しいのか。結論を先に聞いている以上、読み手、聞き手が知りたい事はそこに尽きます。

しっかりと相手の知りたい事を伝えつつ、その後で自分の所感をつける。それがビジネスにおいての鉄則となります。

物語では自分の伝えたい事を先に伝えていく

物語は読み手の想像を意図的に操作しきながら展開していく必要があります。

こちらの思惑通り」と言われる、読み手からすると「やられた〜」となるやつですね。自分の伝えたいから書いていきながら相手の想像を操作していきます。自分のタイミングで書けば良い訳です。

まとめ

ビジネスにおいて最も重視されるのは「読み手の頭の中が客観的な事実に基づいて作られる」事です。物語において最も重視されるのは「読み手の頭の中が書き手によって作られる」事です。

そして、「読み手の中に説明文が入りやすい土壌を作る」のがビジネス文書の鉄則で、「読み手の中に土壌を構築できている様に思わせる」のが物語の鉄則です。

ビジネスにおいてはミスリードは御法度になりますが、物語では敢えてミスリードを起こさせる事が大切になります。しかも、難解な言葉で理解不能にさせるのではなく、平易な言葉でわかりやすく読み手の想像力を操っていく事が大切になります。

全体論の様で実は各論を語っていたり、キャラクターの思い込みを常識の様に取り扱ってみたり。期待と裏切りを交互に連鎖させていく事が物語の妙に繋がります。

ビジネスにおいて、期待と裏切りに満ちた文書を出すとどうなるでしょう・・・

考えただけでも恐ろしいですよね。

提案書の内容は素晴らしく、冒頭に「お安くできました!」みたいに書かれている。そして、提案内容も抜群に素晴らしい。読み手がこれだったら頼みたい!冒頭に「安い!」って書かれていたしいくらなんだー?と思って金額を見たら・・・

これでは提案は通りません。物語としては面白い。

なので何か物語を書く事があれば、良いビジネス文書の書き方を思い出して、その裏返しをしてみると良い事を思い出してくださいね。

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