監督は決断を多く迫られるポジションですね
色々と日本代表が世間を騒がしていますね。ワールドカップが始まる前の監督交代劇からは想像もできないほどの盛り上がりと、想像もしなかった形での注目の集め方に、「いや何これ?すごいワールドクラス」と驚きを隠せません。
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【日本0-1ポーランド|採点&寸評】ベスト16入りも、この試合に限ればギャンブル失敗の西野監督が最低点
完璧なのヒールターン
コロンビア戦で奇跡の勝利を手に入れ、セネガル戦では2度もリードを許しながらも同点で勝ち点1をもぎ取る不屈な精神力を見せつけ、下馬評を覆す日本の活躍に世界中が心を踊ったと思います。
ポーランド戦も後半30分くらいまでは攻めの姿勢を見せて諦めない試合を見せていたと思います。ここまでは完全なベビーフェイスでした。
長谷部投入から一転します。とりかご発動です。
会場が大ブーイングにつつまれ、世界中のメディアも手のひらを返したように批判的な意見が出てきました。これ、プロレスで言う所のヒールターンです。もう本当にワールドクラスのヒールターンです。中邑真輔を超える規模のヒールターンを成し遂げてしまったんです。
勝利条件の認識の差
このフラストレーションは日本代表の勝利条件と世間一般の勝利条件のギャップが原因です。
日本代表の意図
日本代表の意図は明確です。
ベスト8に残る
ベスト16ではなく、ベスト8を見越した選手の温存。是が非でも決勝トーナメントに進出しなければ、ここまでの結果と今回のギャンブルが水の泡になってしまいます。
本試合ではなく、全体最適化された判断で「とりかご」を発動させた訳です。

ファン(観戦している人)の認識
サッカーと言うゲームが点を多くとった方が勝利するルールである事は周知の事実です。当然ながらファンは勝利を願って応援しています。試合は0-1で負けている。でも点を取りにいかない日本。この捻じれにフラストレーションを感じたんではないでしょうか。
そもそも条件が不一致
ファンの多くは「ポーランド」に対する勝敗を見ていますが、日本代表は「ポーランド」に対して勝敗が最優先事項としてありません。ここで条件が不一致が生まれてしまったという事です。日本の勝利条件は「決勝トーナメントを勝つ」であって、ポーランド戦云々ではなかったという事になります。
途中までは明確に引き分け以上、引き分け狙いだとリスクがあるから勝ちに行くというプランだったんでしょうけど。
噛み合ってしまった思惑
とは言え、日本がボール回しをしているとしても、ああまで完璧に試合が動かなかったのはもう1つの理由があります。
これっすね。
ポーランド・ナバウカ監督「勝ち点3取りたかった」
両国の思惑がガッチリと噛み合ってしまった結果なんです。
ポーランドは「日本戦」の勝利を見ています。
日本は「決勝トーナメント初戦」の勝利を見ています。
一見、違う条件なんですが、分数で言う所の通分みたいにするとこうなります。
ポーランドはこの試合を勝つために、この試合は失点するリスクを負いたくない。
日本は決勝トーナメントに進むために、この試合これ以上失点をするリスクを負いたくない。
ガッチリと噛み合います。噛み合ったんです。噛み合ったんですよ。でも、ここで試合の主導権を握ったがこの試合に負けている「日本」だったんですよ。普通は勝っているチームが時間稼ぎをするものなんですが、負けているチームが時間稼ぎをしている。この光景が異常に見えたんでしょうね。
まぁ、こうして考えると日本代表も決勝トーナメントを視野に入れた戦い方が出来るようになったとも言えます。
これがポーランドがあと1点取ったら得失点差でグループH進出が決まるとか、日本の進出条件が間違いなく引き分け以上、とかならこうはならなかったという事ですよね。ここまで思惑の歯車がガッチリと噛み合ったのは凄いなぁと思います。
西野監督の判断は正しかったのか?
もうこれは正しいとか正しくないとかじゃあないですよね。どこを見ているのかの違いです。
見ているところの違いも正しいとか正しくないとかもないんですよねぇ。「興行的」に言ってもまだ結果は出ていません。ここから日本代表が鬼の様な強さを発揮すれば「興行的」にも大成功となります。
なので、残ったのは善悪ではなく、結果です。ポーランドは勝ち点3を手にして、日本はベスト16に残ってベスト8になるチャンスを掴んだという事実があるだけです。
強いて正しい悪いを付けるなら各々見ている人の心の中にあると思います。
何にしてもベルギー戦
前述の通り不本意ながらも盛大なヒールターンを成し遂げてしまった日本代表。注目を集める事は成功しました。7月2日ベルギー戦ですね。弱小国日本が主役になる舞台は整ったと言えるんじゃないですかね。
しかし、監督と言うのは本当に多くの重要な決断を迫られる、1つのポジションと言っていいでしょうね。
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