ヌーハラ!?
なんでも日本に観光に来る海外の方が「麺」をすする音がトイレの音やら掃除機の音に聞こえて不快らしく、「ヌードルハラスメント」略して「ヌーハラ」と呼んでいるのだそう。
「はあっ?」「日本に来るな!」とか「蕎麦屋に入るな!」と感情的になっても誰も得をしないですし、ましてや観光立国を推進している国の民がその様な感情的に後先考えずにメディアで言っちゃダメでしょ?と大人として思うので、もう少し論理的かつ前向きに考えてみましょう。
観光とは
そもそも、観光とは何なのでしょうか?
観光(かんーこう)
[名](スル)他の国や地方の風景・史跡・風物などを見物すること。「各地を―してまわる」「―シーズン」「―名所」
[補説]近年は、娯楽や保養のため余暇時間に日常生活圏を離れて行うスポーツ・学習・交流・遊覧などの多様な活動をいう。観光統計では、余暇・レクリエーション・業務などの目的を問わず非日常圏への旅行をいう。出典:デジタル大辞泉
“「風物」などを見物すること。”とあります。
では、風物とは何でしょう?
風物(ふうーぶつ)
1 眺めとして目に入るもの。風景。
2 その季節やその土地に特有のもの。「武蔵野の秋の―」出典:デジタル大辞泉
その土地に特有なもの。まさにコレ。麺をすすると言うのは日本の風物と言えるでしょう。その風物を見物する。これこそ正に観光。麺をすするなと言うのは、観光そのものを否定している事になります。はい論破。
すする効能
次に「麺をすする」事に意味があるのか?について考えてみたいと思います。
麺をすすると言うと、パッと思い浮かぶのが「蕎麦」です。蕎麦そのものの香りと、そばつゆの出汁や醤油の香りが口の中から鼻孔に広がり、その豊かな香りを楽しむものですね。すすると言う事は、その香りをより楽しむための食べ方なのです。すすると同時に空気を取り込む事で、その香りも沢山楽しむ粋な食べ方だと言えます。
蕎麦だけでなく、日本の麺物は香りを楽しむものが多いです。つゆが醤油、出汁など香りを楽しむものであるからだと思います。ラーメンも同じくスープの香りを楽しむものです。また、麺の小麦粉の香りも楽しみます。
この香りに比重を置いた料理は日本料理の神髄なのではないでしょうか?
文化を壊してまで観光しに来るのか?
日本料理を最も楽しむ作法として進化した「すする」。
これは日本の文化であると言えます。
日本の文化を壊して、日本文化が味わえな観光に意味がありますか?
くちゃくちゃ音を立ててたべる
実在するかは知りませんが、例えば文化圏の異なる場所で「くちゃくちゃ音をたてて食べる」と言うのがあったとします。「すする」に対して文化だと主張する我々は、「このくちゃくちゃ音を立てて食べる」行為を受け入れる必要があると言う事です。クチャハラとか言わない様にしなくてはなりません。
最後に
すするは文化。「郷に入れば郷に従え」
その文化圏に訪れたなら、その文化をしっかりと肯定し体験する事が重要だと言う事ですね。
その代わり、日本人が海外に行ったときはその文化圏のマナーを守る必要があると言う事です。自分たちの行為は自分たちの文化圏の中だけで許されると言う事も重要です。
「ハラスメント」だなんて器量の狭い事を言うのではなく、もっと大きな視点で楽しめる懐の広さが必要だと言う事です。
そして、観光立国を推し進める上で、日本の文化をもっともっと啓蒙し続けていく必要があるとう事ですね。
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